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 本コーナーでは、"髭の講師"の澤田が研修で実際に体験し、見聞した事例を、日誌風に纏め報告しています。
 これまでの研修日誌はコチラ。 

◆中堅社員研修での学び合いからの見い出しです

***①異見を言い合えるそれは、自分の考えを発信できることであり、部下の意見を聞き入れるゆとりを持つ ②固まった考えで無く、幅広く、かつ柔軟な思考で新たな方法を創る ③自分からアクションを起こし、周りを変えて行く気概を持った活躍をする ④普段からのコミュニケーションの重要さを再認識し、常に相手の立場に立った考え方で関わりをする ⑤部下が成長を確認できる褒めの実践と、パワハラを恐れない愛情ある叱り方の実践 ⑥「後輩の指導は自己成長なり」とわきまえ、自らの学ぶ取り組みを怠らない ⑦プレゼンテーションスキルを本気で磨き、きちんと話すリーダーとなる・・・。***

 これは、先般担当した大手製鉄N社の協力会の中堅社員研修の最終講で「当研修での気づきを生かした今後の活躍をこう楽しむ」との発表内容です。参加企業は7社、職種は様々であり、年齢も28才から40才と幅広いが、各社の第一線の核たる立ち位置で活躍する 「任され・責任持って・関わる人の協力を得て実績を創る社員」です。当然、トップ・上司からの共通した期待は、

  ①中堅社員は相当のキャリアを積んできた、だから安心だ
  ②お客様の評判は、直接関わる中堅社員が創り、高めてくれる
  ③製品は設備でつくるが、整備、品質、効率は人の力いかんである。
 ④後輩からすると、こういうプロになりたいとの憧れの人である
 ⑤これからの職場、会社を背負って立つのはあなたである

があります。従って、今研修での学びの目的を、「既に自信と誇りを持って活躍しているその活躍ぶりを確認し、更なる会社の進展に貢献する活躍の楽しみ方を掴み出す」としました。それは、受講者各位が生涯稼ぎ続ける人財に向けて、新たな気づき合いの学び合いの場と位置づけたからです。その成果物の一端が文頭の内容です。以後、各自がこの共有化した内容を、自身の活躍条件に落とし込み、具体的実践目標を設定し、上司との助言を加味して新たなる言動を実践している現在です。その実践は、やがて、キャリアアップした実績として、周囲からの存在感を高めることになります。それは、生涯に向けての稼ぐパワーアップに他なりません。

 時世は、ジョブ型人事、労働力の流動化、雇用人材の適材適所、働き方改革、副業の認め、学び直し、賃金の上昇・・に類した考え方が目につきます。しかし、何ら新しい提起ではありません。既に、プロスポーツでは、実績に基づいたスカウト、選手自らのチームの移動があり、タレント業でもオフアーにより出演料を稼ぐのであり、企業でもスカウト、ヘッドハンテイングがあり、中途入社は応募により転社、転職です。

 しかしながら肝心なことは、声がけされる、及び、売り込む本物の能力如何が問われます。それは、実績の事実であり、求められる貢献を実現できる可能性の是非です。従って、単なる変わりたい願望だけの移動であれば、入社条件の売り込の乏しさは稼ぎを落とし、移動先での新たな実績貢献がなければ、やがて居場所が難しくなり、さらなる移動との負の連鎖となります。ならば、その対応はどうする、それは、「学ぶ力」です。なぜなら、本気で学び、本物のプロとして成長し続け、新たな実績形成を楽しむことになるからです。それはとりもなおさず「稼げる働き方の条件作り」となるのです。

 今回は、改めて、この「学びの楽しみ方」に着目してみましょう。

◆学ぶ力の基はその気になることです

 まず、学ぶ力の基はその気になることです。筆者はプロとは、さすがの能力を生かし、成果を上げ、金を獲る人と単純明快に意味づけていますが、その能力の高めは自分の時間と金で勉強する事にほかなりません。即ち、学びを欲することです。それは、馬を池に連れて行くことができても、無理やり水を飲ませようとしても無理、それは、馬が自ら水を飲みたいと欲した時に、池の水を飲むと言われる例話と共通する事です。その学びたい欲求は、自ら学びの機会を創り、学びのニーズに基づき調べ、尋ねを貪欲に成し、指導に感謝し、指導内容を鍛錬してものにしていきます。

 それには、「こうなりたい、こうしたい」と、まずは「想いの目的を明確」にして、「ならば、何を、どう学ぶか」との「その気」になる思い入れが→学び心の「うずき」を誘発し、→「本気の学び」となります。そして学びによる新たな能力が体得できます。その新たな能力によるパフォーマンス(活躍ぶり)が、やがて、想いの達成の”「やったー!!できた”の「歓喜」を迎えます。この新たな実績の成就は→「人気」を得て、まさに、信用、信頼をうる稼げるプロの実力が蓄積されます。

◆学ぶ事は変わることです

 従って、学ぶ事は想いの実現に向けて、自身を変えることです。それは、自信ある自画像を部分的にでも壊し、修正し、進化した自分づくりなのです。だからこそ筆者は、研修現場ではこの学ぶマインドに重視します。その実践策の一例は、研修スタートまでの自由時間の活用の観察です。例えば、配布されたテキストの通読加減はどうか、初顔合わせの受講者間のコミュニケーションの有り様はどうかなどの診断です。

 そこに、各自の日常の取り組み姿勢の常態があり、学びの機会への気概の現実があります。周知の如く、その気にならずの受講は、「心ここにあらざれば、見れども観えず、聞けども聴こえず、食らえどもその味知らず」の状況になるからです。とりわけ、自信がある人ほど自意識過剰、おごり、自惚れ感情が学びのうずきは乏しいのが現状です。

 そこで、「誰のために、なんのために研修をするか、それは、自分のために企業が敢えて創ってくれた機会」である。なぜ、それは、「学びによる新たな実績づくりは、働きがいの事実形成」であり、その実績は、「将来の稼げるキャリアアップであるからです」と説き、学ぶ楽しみを共有化します。

◆学びの機会は、自分のための確認診断の場です

 従って、学び合いの楽しみは、確認と診断です。なぜなら、既に現状の活躍に自信と誇りを持っている受講者であるから、「それって本物ですか、単にわかっている、やればできるではないですか、言行一致での最高実践がいつでもやりこなせていますか」さらに「それ独りよがりでの自信ではではありませんか、鏡に自身を映し、自分の評価で良しとしてはいませんか」、研修の機会は、異との出会い、それは耳にする異見(自分の考え方と異なる)であり、目にする受講者仲間の言動の写りの鏡は、それぞれ違う鏡です。さらに、日常行い得ない異体験もあります。この異の出会いを「はて? 自分はどうか」と確認・診断する事です。そこに、人から学ぶ、体験から学ぶ新たな気づきがあります。

 その気づきは、不足能力の気づきであり、自身の持ちうる内なるキャリア(能力)を粗末にしていないか、その粗末さは、必要な時に、必要なことを最高実践していない悔いであり、また、持ちうる内在能力からアウトプットとしての新たな知恵を生み出す無精をしていないかの自問自答です。また

◆教える事は教わる事、学びの力はここにもあります

 筆者が主宰する話力向上スクールは35年重ねて来ました。受講者の熱心に学びに取り組む姿勢は、自ら高めて行くスピーチ演習では緊張感があり、演習を終えた後のほのかな笑顔に象徴されています。この小さな上達の実感が、受講者の成長を楽しむ学ぶ場としての持続的存在価値です。勿論、学ぶ力は、筆者の施す指導力と仲間相互の影響力によることも多い。だからこそ、指導者としての責任を重く受け止め、たゆまぬ指導力向上の学びを実践し、回を重ねるからこその新鮮さの施しにも工夫を凝らします。

 その工夫の一例を紹介しますと、受講者の持ちうるノウハウによる特別講話の組み入れです。例えば、長年、庭の手入れを成してきたYさんからは、梅の木、柚の木、竹の手入れ時期とその手入れ法の指導、和服の古くなったお品の手入れ法や活用法を和服仕立て現職のTさんから伝授頂き、英会話、小文字上達の学び方を中央官庁勤務であったIさんから指導、そして、スピーチ演習直前には、お口の運動、笑顔の作り方の演習を幼児育成コンサルタントのOさんにお願いし、デジタル機器の活用法は遠方の90才代の母親にスマホを送り、画像会話をしているNさんからの実践講座などがあります。そこには、立場を変えてのスピーチ体験は、聞き手側に立った伝わる話し方向上のヒントを掴む機会だからです。双方に学び合い、共に成長できる機会は、職場でも「教えることは、学べる機会でもある」のです。

◆学ぶ事により、可能な現実を創り出します

 さて、企業活動では、実績・貢献力により、選ばれての活躍ステージのランクアップがあります。数年前、T福祉法人会のこども園での2日間のマネジメント研修を担当しました。T福祉法人会は本部制を構成し、4つの園を経営する地元でも評価の高い組織です。当日園を訪ねた時、園庭で元気にはしゃぐ園児の姿を、微笑み心で見守る保育士の姿が目につきました。それは、育む人としてのさすがの活躍ぶりです。 

 
このさすがのキャリアに基づく現場対応能力に経営センスと組織力をいかした園の運営統括者への脱皮への学びが今研修の目的です。そこには新たな役割要請を正しく理解しつつも「不安・迷い」がある事も事実ですが、それを超えて、自分の可能性の引き出しにもがいてもいます。研修会場では研修提案者のT役員と随時連携をとり、組織としての新たな人材活用策の実現に向けての新たな能力向上に尽力しました。

 受講者の学びパワーは見事であり、終了時の各自の研修所感では、「新たな立場で「何を、誰に、どうする」かが体系的にイメージアップができ、その実践スキルでは、ここまでの自信を確認し、さらに、「なにを、どうする」かのヒントを得ましたので、「できる可能性のある自分を信じることができました」との安堵感と、秘めたる覚悟を共有化できました。以後、受講者が自ら啓発目標を設定し、ものにしていく学びの継続策を支援した研修でした。

 現在、社内で重きをなし活躍している人は、新たな舞台のいずれも「迷い、不安」からのスタートです。だからこそ学びの機会を生かし、以後、自らの学ぶ力により克服してきた人です。例え、苦労知らずに観えてもその実は、水鳥の足のごとく、水面下での自己研磨を積んで蓄電し、新たな能力を自己発電をする努力の達人なのです。時には「まさか」の発生する失敗でも、その要因となる課題をあぶり出し、必ず、新たな学ぶ力による解決策を見いだし、逞しさを育んできているのです。

 ネクストステージに選ばれるからには、その秘めた可能性を信じてのことです。「今は出来ない。でも明日はできる可能性はある」それは学ぶ事により可能になる」からです。「その実現は稼ぐ条件をより豊かにする」ことに他なりません。

◆人生100年時代稼げる決め手は一生勉強です

 学ぶ力は継続され、つきることのない右肩上がりに成長する楽しみを与えてくれます。人生100年時代。「一生勉強です」の言葉はより現実化してきた重みがあります。ならば、そのための学ぶ力はどう楽しむか、それは、決め手を持った存在感を持ち続けることにあります。決め手とは専門力・特技・そして人間力です。

 先般、大手製鉄N()のベテラン層研修でも、現在の業務を新たな学びにより進化させることにあるとして、*技能の理論づけに幅広く、深耕させるために技術者、専門機関に訊ねる実践・・・が紹介されました。具体的には、単に*カンコツの熟練度を高めるだけではなく、論理的理解をからませる能力づくりがあり、また、*新規設備への好気心も高く新技術をいち早く身につけ若手に指導する意気込み持つ人もいます。それは*IT・AI化への対応でもあります。加えて*国家資格の取得、技能検定への挑戦もあります。そこには、将来を見据えて活躍の舞台が変わっても社会的能力の評価の確保であり*多様化時代に対応した専門分野の応用力の構築です。まさに、生涯現役を目指すその気による自己研鑽力は見事です。

 「働き方改革」それは、自らの能力をどう生かし、稼ぎの楽しみを持続するか、その生かし方を主体的に決定する楽しさがあります。それは、ベテランだからこそ「いてくれますか」の頼られる存在の居甲斐であり、「まだあの人いるの」との周囲の人にとっての居害(いない方が良いとされる人)の人ではありません。存在の居甲斐は、やがて、「来てくれませんか」の社内外からの声がかかることも事実。まさに、稼ぎ続けることができ、その働き方も自身の条件を示せる強みを持ちうる人です。

 「万象我が師」という言葉があります。その意味合いは全ての事象が私たちの先生である。つまり、私たちの周りにある、全てのもの、出来事から学びを得ることができるという考え方です。その対象は、人、自然、仕事、様々な生活場面・・での読む、みる、感じる、聴く、体験する・・があり、この機会に如何様に「はて?」と素直に好奇心や興味を持つかです。その気は、新たな想いを持ってその実現を本気で成すことの気概によります。それは、お役に立てる施しを通じての働きがい、稼ぎによる生活向上の実現でもあろう。

 その、実現方法は多様な選択肢が提供されてくる現世です。それは、「学びのパワー」による本物の自身づくに本気で取り組む気概の有り様如何です。

(2024年9月 研修・講演髭講師 澤田 良雄記)

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