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 本コーナーでは、"髭の講師"の澤田が研修で実際に体験し、見聞した事例を、日誌風に纏め報告しています。
 これまでの研修日誌はコチラ。 

◆新人の描いていた理想と現実?のギャップは・・
 新人も入社1ヶ月過ぎた。どんな成長状態でしょうか。多分に理想と現実の違いに戸惑い、あれこれの拙論にはまり「こんなはずではなかった」などの心境になっていないだろうか。マスメディアでは「配属後1日で退職」などとの報道もあります。それは、多分に、新人の想いと現実のギャップの違いであろうか。それも新人自身が勝手に描いている都合の良い条件に合致していないとの判断なのだろうか。ならば、どうしてそうなるのだろうか。就職活動で、真剣に情報を入手し、併せて、就職担当指導者からの指導も受け、実際に企業説明会で直に企業との接点を持ったうえで判断し、採用試験を受け、内定を受け、入社を決定したのにです。それなのに、「何で1日でやめるのだ、」ましてや、「本人からで無く、親、「退社代行業」を通してなのだ。」とわかりかねることも実感でしょうか。

 勿論、新人の活躍に向けた期待条件も、人生100年時代、飛び交う、働き方改革、ライフワークバランス、キャリアプラン、転職如何、副業、将来起業、偉くなるより楽しく働く・・の諸説から、まさに企業での職業人生の有り様が多様化し、個々に判断し決めていく必要性が問われている現在を認識しての対応です。

 従って、育成機会では、新人としての「想い・覚悟・現在の評価・今後への気概」をきちんと確認し、当社企業人(当社の理念・組織人としての活躍条件・・)きちんと認識し、専門力および人間力を素直に磨く事に尽力しているのです。特に今年は、筆者が新人研修の打ち合わせ時に共有化するキーワードがコミュニケーションギャップを可能な限り埋め合うことに他なりません。

◆世代ギャップは当たり前です。でも・・・

 確認して観よう、新人の配属職場での第一声の自己紹介で発信したのは「1日も早く仕事を覚え、貢献できるように、何事も全力で取り組み、精一杯頑張ります。」「社会人としては、まだまだ未熟でいろいろと至らぬ点もあると思いますが、先輩社員の皆様と共に、精一杯努力していきます。」・・との、意気込みがほとばしる言葉であったことでしょう。現在40代後半以上の昭和時代・その後の先輩社員の入社時の心意気と共通していませんか。

 ならば、今年の新人はとの思いこみ、あるいは世に流される情報をそのままを前提条件として決めこむ事は如何であろうか。例えば、昨今の新人は3年で3割退社、10年で5割退職するとの情報を、「だから仕方ないよね。最近の新人は・・・」とのご都合理由によるコミュニケーション不足はないだろうか。冷静に確認して観れば、7割はやめないと言うことであり、ましてや、自署への迎え入れには、退職可能性0としているはずです。迎える時から3割対象の新人としているはずはありません。要は単に世代ギャップがあるからと、相互の思いこみによるコミュニュケーションギャップを拡大させないことです。

 実は、コミュニケーションギャップについては新人に限らずの課題です。それは、先般の深掘りポンプメーカーO社でのトップ・幹部の話力スキルアップ研修や、F県経営者協会の新任リーダー研修、T幼稚園職員研修での話し方教室でもこれらの要件を踏まえて学び合いました。そこで、今回はギャップの要因を確認し、打つ手に着目してみます。。
まず、

◆コミュニケーションギャップとは・・

 
 言葉の理解では、価値観、年齢、世代差など、食い違う意識のことを言います。それは、お互いの価値観や理解のしかたが異なり、情報の捉え方の食い違いが発生することにもなります。その要因は、過ごしてきた環境、学んできた、体験してきた事が違うのですから、ギャップがあって当たり前なのです。しかし、「だからしかたがない」では、不服、不満、不安、不信を高め、業務上でのミスの発生を生み、生産性を低下させ、協力関係の構築も困難になります。それでは、その要因はどんな点があるのだろうか。

◆コミュニケーションギャップを生む要因

  要因は様々あるだろうが、新人に限らず諸階層研修や、各社、各所でのトップ・幹部・社員談義からの捉えでは、要因は次の5点があります。

二つの無精それは
1)消極的無精=「わかっているだろう」「わかっているらしい」「わかっているようだ」との無精です。
2)高圧的無精=これは、「わかっているはずだ」「わかっているべきだ」「わかっているもんだ」との決めつけによる無精です。当然、今更話さなくてもの意図から、丁寧さや、確認なしです、現実は、活躍ぶりが不本意の状況が生まれる、不満が爆発する、相手は相手なりに、こうだろう、こうらしい、との理解で自分なりに精一杯やっている。もし、だめなら「言ってくるはずだ、」「言ってくるべきだ」「言ってくるもんだ」と判断しています。以心伝心はもはや通用しないのでは・・・。

②立場の違い 、それは、
1)上司からの一方的押しつけによる伝達
2)親近感の少なさが、気軽に交わすコミュケーションの機会が少ない
3)考え方の違いがあることを踏まえての、わかり合う相互の交換がない

③日頃の対人関係の親密度の希薄
1)上位者の笑顔無し、威張り現象はとっつきにくさを生んでいる
2)言行不一致による不信感
3)若手の対人関係の苦手が、メールその他の一方的方法で済ます

④話力の欠如それは、
1)話す事の苦手意識
2)対面・ビジネス電話で話す経験不足
3)話し方実践スキルの能力不足

 などがあります。ならば、どのように改善策があるのだろうか。それは、

◆対面型コミュニケーションによる改善の方法

 昨今のコミュ二ケーションの実践法は、デジタル機器を巧みな利用、電話の活用、そして、対面型コミュ二ケーション・・があります。この対面型コミユニケーションはコロナ禍で改めて重視され、かつ、最近での若者の苦手とする能力です。特に今年の新人は学生時代でも学友、バイト先でもその体験の少ない現実です。この事は、新人研修の打ち合わせ時にも交わされる課題の一つです。具体的な実践策は、

①あなたと私の関係でのやりとり実践
 「彼ら」「我ら」の関係でなく、「あなたと私の1対1の関係」での施しです。なぜなら、人は10人十色であり、皆、ものの見方・考え方は違うのです。その要素は、三角形で図示すれば 教養・経験→△←環境・職種・立場、そして底辺は、生まれた時の条件です。

底辺の生を受けた条件は、宿命的要件、例えば、家系、両親、兄弟の続柄があり、血液型、占いで見いだされる誕生日であり、星座、手形・・・があります。

*右辺の一つは環境による影響、例えば、育ちの地方、家庭、学びの学園、クラス、所属クラブ、そして、企業・職場環境です。二つ目は職業・職種・立場による特長です。

*左辺は教養と経験です。教養とは、本を読む、話を聴く、音楽に親しむ、観劇、それに、茶道、華道、武道・・・の修養などがあります。もう一点は、体験、実践してきたキャリアです。この、この3辺の具体的事実は皆違い、各自のものの見方・考え方が構成され、言動都として顕在化されます。この顕在化された言動を診て、他者は、「あの人はこういう人だ」とは判断します。それは言動そのものだけで無く、人間性をも推測します。人は、十人十色とはこの状況を表します。

 さらに、この3辺の具体的条件は変わりますので考えも変わります。例えば、体験前まではできないと決めつけていたことを実際にやってみたら楽しいと感じ、「できない」考え方から、「できる、しかも楽しい」との考え方に変わります。同様に、一冊の本を読み変わる、映画一本観て変わる、新たな話を聴いて変わる、仕事が変わり、住まいが変わり、家族構成が変われば変わります。・・この事実です。このように一人10色と表されるようにその人も変わっていくのです。新人の指導従って、「あの人はこういう人だと、以前の相手を決め続ける」事は、成長を認める事のできない人です。従って、対面型コミュニケーションは、今の素の本人と対面して交わすことです。案外「やはり、最近の若い人は・・」と言う人は、「彼らの」抽象解説に思いこみをなんとか都合良く結びつける事に他なりません。新人も指導により、成長(変わる)するが如しです。

②訊く→聴く→練り直す→話す→訊かれ、答えるこの繰り返し
  ギャップの改善には、一方的に関わるのでなく、寄り添う関係が良いからです。話す場面でも、どう聞いて頂くかをまず考え、相手に対応した話し方の工夫が第一です。それは相手の理解レベル・体験・年齢、自分との親疎の程度・・の特性に着目し学ぶ事です。もし軽んじれば、らしい、はずだの無精が災いし、「わかりません」「私なりにわかった」「難しい」「興味がないことだから」・・などとのコミュニケーションギャップが現実化されます。実は、「わかった」「わからない」の決定は相手に有るからです。従って、こちらが、「あれだけ話したのに」とは自身への慰めに過ぎません。もう少し解説してみます。

1)「訊く」とは、相手の三角形(10人十色)を学ぶ楽しみです
  例えば「たけとテニスし」の問いかけでも良い。「タ」は旅、たのしみ、「ケ」は健康、研修、「ト」は友達「テ」は天候、「二」はニュース、最近のでき事、「ス」は好きなこと、住まい・ふるさと・最近の嬉しさ、「シ」は仕事に関しての言葉かけです。和み状況を診て、職場生活での不便、不信、不要、不安・・などの問いかけです。例えば、「現在気になることはありますか。不便なこととは・・」と問いかけ、答えから学ぶ楽しみです。もし、問いかけても相手が、応えてこないときには、「今話したく有りません」「興味がありません」と教えてくれているのです。問い掛けへの返答の話は、

2)「聴くとは(楽しく学ぶ)
 「聴く」は漢字を分解すると、十四の心と耳となります。「傾聴は愛なり」との言葉は相手を受け入れて、心と耳、すなわち全身全霊を傾けて聴くことということです。それは、相手の心境、相手の考え、要求、を汲み取ってそれに寄り添って応えていくヒントです。それは、寄り添いを施すには、相手が本心を開示し、その気がかり欲求に応えたコミュニケーションをとることであり、特に留意事項は

なぜそのように言っているか、欲求、要望の心を汲み取りながら聴く。
その時、場で話の理解だけでなく、以前の話とつなげて聴くことで、さらに理解が深まり本心・本意などがつかめます。それに、人は、「よく聴いてくれた人の話はよく聴く」の原則通り、こちらの話を聞き込んで頂く働きでもあります。

3)練り直すとは
   聴いたことから、既に持ちうる考え方に新たな情報を得たことにより、考え方の練り直しが必要です。それは考え方を変えることもあるし、相手の理解を高める話し方の工夫にもなります。

4)話すとは、
 話は生き物です。なぜなら練り直しによる考え方を伝えるからです。なぜなら、話す目的は、日々の活躍の中で、自分の持ち味としての才能、知識、技術、人間味を積極的に生かして関わる人にお役に立ての施しをするうえで、その伝える力として話すのです。従って、相手が内容を理解し、納得され、試され、やってみたら「うまくいった」「できた」との喜びを得るお役立てだからです。従って、「あのとき教えて頂いて事を、自分もやってみました。うまくいきました。ありがとうございました。」・・の言葉が話し手に返礼されます。「そうですか。それは良かった」とのここに信頼関係も深まりますし、コミュ二ケーションギャップは埋まります。

5)訊かれる→答えるとは、
 
これは、最適なコミュニケーション条件です。訊かれるとは、好かれ、信頼されている証であり、専門力、実績の魅力であり、人間力の豊かさを認めている証だからです。これこそ、相手からギャップを埋める働きかけの一環です。ですから、訊かれたことに的を得た回答は、相互に必要なことを必要なだけ正しく共有化でき、理解のギャップは生まれません。質問、相談の寄ってこられる対面型のコミュ二ケーションの極地はここにあります。

◆新人への引き出すコミュニケーションのすすめ
 
人と人とが直接な意思疎通を生かし得る指導は、それは、直に向き合って成すコミュのケーションだからこそ、察する、気づき合う、汲み取り合うこの深みある相互理解が成されます。新人の気概をより高め、描く将来の自我像の実現に向けた支援、指導者としての育成の楽しみを是非楽しんで頂きたい。そこで、心して欲しいことは本人から声がけするコミュニケーション力を高めること指導です。そのための施しは「引き出すコミュニケーション」の実践です。具体的には「何かあるのだろうか」と関心を持ち、時には、近づき、察しの問いかけや、目線・表情でのシグナルを送ります。この配慮を幸いとして「あのー?」のこの言葉を新人から 掛けさせる働きかけです。なぜなら、この一言の発信が「訊きたいが」「話したいが」「意見を言いたいが」でも・・・との臆病心理を吹っ切ります。そこから指導者の「何か」の問いかけに新人の「実は・・・」と話しは進展して行きます。実は、小生は、新人指導ではこの「あのー」と声がけすることを指導しており、質問の仕方の上手さなどは現実はいらないとしています。それは、対応する指導者の「引き出すコミュニケーション」がなされる前提です。ここに寄り添っての指導が現実化し、コミュニケーションギャップを新人の方から埋め合わせていく手段ともなるのです。

  この機会づくりは、1対1で適宜にとの気配りもあるし、週一、あるいは月一、15~30分と定期的に場を設けることが良い。「雑談タイム」「何でも語り合いタイム」と称したミーテイングとする良い。「雑談タイム」、「何でも語り合いタイム」・・などと称し、忙しいからするこの覚悟が肝心です。大事なことは、気に掛けてくれているこの安心感が何よりの居心地の良さになるからです。退職理由に出される「対人関係・・」「仕事が合わない・・」その真意は案外、孤独感の解決のできない現実への逃げにあるかもしれません。

 5月病と取りざたされる時期ですが、「この会社だからひとまず安心。だって、気に掛けてくれている、褒められた、認められた事が嬉しいから」の実感があるなら、このままこの会社で良いのかなどのふらつき感情は起こらない。それは、たとえ、3年で大卆3割はやめるとの説が論じられようとも、自社、自職場、ましてや指導する新人は10割定着の新人であると信じ、共に成長する寄り添いのコミュニケーションによる育成実践が成されているからです。

(2024年4月 研修・講演髭講師  澤田 良雄 筆)

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